1943年(昭和18年)に結成された、女性画家のみによる「女流美術家奉公隊」は、少年兵をモチーフにした展覧会「戦ふ少年兵美術展」を行います。
参加した画家は、洋画家長谷川春子、藤川栄子、三岸節子、桂ゆき(子)、谷口富美枝ら50名。
この展覧会の準備のために、奉公隊はいくつかの少年兵学校を訪問、スケッチを行ったようです。
戦争画(戦争記録画)というものは、国威発揚などの目的を持って、兵隊や戦闘機などが描かれたわけですが、描かれたその根底には、それらモチーフがただ単に「カッコイイ」からだと、思えてなりません。
現代でも、戦車や戦闘機、ガンダムなんかのフィギュアを並べて「グフフ...グフフ...」と悦に入っている大人もいますが、それと似たようなものだと思うのです。
それは、女性画家であっても同じだと思います。
つまり、少年兵が「カッコイイ」または「カワイイ」から描いたのだと。
女性画家たちは、モデルを前に「あの子カワイイ~~~」だとか言って、キャッキャウフフしながらスケッチしたに違いない(断言)
特にこの「少年兵の室」ですが、並んだベットに、キチンと畳まれた衣服、まるで少年愛を描いた漫画で言う「ギムナジウムもの」のようです。
現に、この「少年兵の室」のような絵は、男には描けません。
この絵もアブナイですね~~何を握っているのやら。
また、「戦争と女性画家」では、奉公隊が描いた働く女性のモンタージュ絵画「皆働之図」が男性中心の「国家」への逆らいのように書かれていますが、それ以上に大きな意味は、この絵を描きたくて描いたという女性作家たちの想いなのでは。
この絵は、まるでヘンリー・ダーガーの「非現実の王国」のように、男のいないユートピアを描いたものだと、私には見えます。
そこには、ローラ・ナイトの絵画のような現実性を感じないからです。
奉公隊の画家たちは、戦争状態という混沌化した秩序の中で、大文字の「美術」から離れ、少年愛や、男にいないユートピアなど、まるで現代のBLも含めた女性作家たちのように、自身の欲望を描き得たのではないか....そんなふううに妄想してしまいます。
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