東台彫塑会展ですが、第何回と書かれていないことから、一回目だと推測します。
第一回東台彫塑会展は、大正10年に行われています。
大正10年当時、陽咸二は24歳。小倉右一郎門下で、文展に入選した新進気鋭作家として名が出だした頃でしょうか。
東台彫塑会も、小倉右一郎が結成した会であり、その縁での出品でしょう。
作品は「鷺娘」。歌舞伎の演目の一つなのだそうです。
鷺が人間の女となり、踊るのだそうで、『冬景色の舞台面に鷺の精が現れる。その格好は白無垢の振袖に黒の帯、頭には綿帽子を被り傘をさし、鳥の所作などを見せる。』のだとか。
このメーテルみたいな帽子は、綿帽子なのですね。
この像は、石膏でできているのだと思われます。
その石膏の白色を、雪に見立てているわけですね。
お洒落~~~
こういった所謂床の間彫刻は、当時批判の対象でもありました。
しかし、陽咸二の持つ先進性の根っこにはこういった作品があるのだとわかります。
彼は、先進性と古典を彼独自のありかたで調和していたのだと思います。
この作品、現在もどこかに残っているのでしょうか?
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