今日は、日名子実三原型のレリーフの中でも、特につまらない作品を紹介します。
この「護国亀鑑」盾は、戦時中、一家族から二人以上の戦死者を出した家庭に国から贈られたものです。
神戸大学のアーカイブに当時の新聞記事がありました。
→こちら
「亀鑑」 とは『行動や判断の基準となるもの。手本。模範。』といった意味で、国家に殉じた人たちを指すのでしょう。
こんなの貰ってどうなるものかとも思いますが、賜って救われる人もいたでしょうし、 複雑です。
描かれているのは靖国神社です。この面白みのないモチーフは、日名子実三の作品の中でも異例で、左端にはこの作品以外で見たことのない落款があります。
依頼主である国家から、モチーフに対して注文もあったでしょうが、それにしてもつまらない。
もしかしたら、死者の為に贈られるこのレリーフの制作が、日名子の手に負えなかったんじゃないかとさえ思います。
現在の靖国神社の遊就館には日名子の彫刻がありますので、興味のある方は是非。
ちなみに、レリーフと一緒に朝香総裁宮殿下の表彰状が贈れれましたが、その朝香宮家の本邸は、現在
東京都庭園美術館になっています。
「舟越桂 夏の邸宅」展の時に行ってきましたが、素晴らしい場所ですね。
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