長谷川塊記は、1898(明治31)年鳥取生まれ、朝倉文夫に師事し、東京美術学校彫塑別科卒。官展の他、東台彫塑展や朝倉塾展、塊人社展に作品を出しています。
このメダルは、皇紀弐千六百年、1938(昭和13)年に埼玉県東吾野小学校に建立された、長谷川塊記作菅原道真公銅像の記念品と思われます。
菅原道真公の銅像は現在も東吾野公民館の廟の中に建ってます。
メダルの背面に「塊記」の銘があり、このメダルも長谷川塊記の作品とわかります。
このメダルを見て思うのは、かなり簡易な造形なんですね。
たしかに菅原道真公の銅像もそれほど細部に拘った作にはみえません。
ただ、神の姿を描くということで、ある程度形状に自制があったのかもしれません。
父親が仏師であったことも影響しているのかも。
彼の作品は鳥取県立博物館で観ることができます。
これら作品からも、長谷川塊記は師の朝倉文夫よりも身体を理想的な姿に描くスタイルだったと言えそうです。
それもそういった仏師の出であった事、仏像や神像という身体を理想化した造形の影響があったのでしょう。
戦後の人物彫刻は、人体のリアリティーよりも理想化に進みます。
長谷川塊記はその間の作家であり、そういった理想化に影響を与えたのが、日本の仏像や神像であったと言えるのかも。
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