昭和17年9月に日本美術新報社によって発行された「旬刊美術新報」35号です。
特集は「白衣勇士の美術」。
白衣勇士とは傷痍軍人の事ですね。
この特集号では、軍事保護院や第一陸軍病院、民間の忠愛美術院で行われてた、傷痍軍人らによる作品と美術製作プログラムを紹介しています。
茶碗や花器の製作、日本画の技法の習得、上野動物園での写生、義手を使った絵画制作等々。
読んでいて驚いたのが、このプログラムの目的が、工芸的な技術の習得だけでなく、傷痍軍人たちの「精神修養」だとしている事です。つまり身体だけでなく、傷ついた心の為に行われていると考えられます。
『陸軍病院の美術教育は、芸術を通して傷病兵に豊かな情操と光明を与えて、それが将来の職業準備の教育となり、人格統治と職業能力を増進させることにある。薬物のみによらずして精神的創痍の治療ともなす。言い換えれば、職能増強、精神修養、治療の訓練と言う様な目標の下に教育を行っている。』
日本人は『芸術が心を豊かにする』という、ある意味で信仰とも呼べるものを持っています。そのように芸術を受容し、価値としてきました。
このプログラムは、こういった信仰がベースにあって考えられたプログラムなのでしょう。
そしてそれは、大きくとれば芸術療法(アートセラピー)とも呼べるものだと思います。
戦前の日本がそれを行っていたと言うことに驚きます。
同年代の他国で同じような試みは行われていたのでしょうか?
日本人は『芸術が心を豊かにする』という、ある意味で信仰とも呼べるものを持っています。そのように芸術を受容し、価値としてきました。
このプログラムは、こういった信仰がベースにあって考えられたプログラムなのでしょう。
そしてそれは、大きくとれば芸術療法(アートセラピー)とも呼べるものだと思います。
戦前の日本がそれを行っていたと言うことに驚きます。
同年代の他国で同じような試みは行われていたのでしょうか?
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