1911(明治44)年3月16日より60日間、神戸湊川において行われた貿易製産品共進会のメダルです。
この貿易製産品共進会では、画家北野恒富のアルフォンス・ミュシャふうポスターが使用され、洒落た洋風イメージが用いられたようです。
このメダルも同様で、神戸港をバックに女神が立つ姿が描かれています。
右手に持つのはオリーブの木でしょうか?
左手にはケーリュケイオン。
そしてメダルの外側には虹の様な不思議な模様が描かれています。
この模様は北野恒富のポスターにも用いられていることから、イメージの共有があったことが伺われます。
画家一條成美によるミュシャの影響を受けた表紙の『明星』が発売されたのは1900(明治33)年。
これ以降、多くの雑誌等のビジュアルデザインにミュシャやアールヌーボーの影響が伺えるようになります。
このメダルもまたミュシャやアールヌーボーの影響を受けていのでしょうが、アールヌーボーらしい装飾性はあまり感じないですね。
装飾は虹の様な模様ぐらいです。
どちらかと言えば、ミュシャの様なキャラクター性の強さを感じさせます。
ミュシャの日本の受容史として、後の少女漫画への影響が語られますが、このメダルの女神像もキャラクターとして描かれているのだと思います。
そのキャラクターの属性を示すためのオリーブの木とケーリュケイオンなのでしょう。
端に「R.N」とサインがあります。
ですが、これに該当する作家が思いつきません。
誰なのでしょうね?
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