現在も栃木県足利市の足利公園に建っています「明治二十八年・三十八年戦役記念碑」を水彩で描いたものです。
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1936(昭和11)年に描かれた作品だと思われます。
現在のこの碑に水彩画で描かれていたような周りの格子はありません。
ただ、台座は当時のままのようです。
また、左下に球状の彫刻がありますが、こちらも現在は無いようです。
コレ何でしょう?
船のブイみたいですから、戦艦の慰霊碑しょうか?
頂上には、球状の上に立つ鳥が。
ヤタガラスでしょう。
そして、「明治二十八年・三十八年戦役記念碑」とあります。
明治28年は日清戦争の終結、下関条約を結んだ年です。
明治38年は日露講和条約が結ばれた年ですね。
この年を記念し、建てられた碑だとわかります。
この記念碑がいつ建てられた物かはわかりませんが、こうして水彩道具を外に持ちだし、写生を行った人物がいたのですね。
西洋で発展したチューブ入りの絵具は、印象派など新しい様式を生み出します。
日本においても、明治期に水彩による戸外制作がブームとなります。
この記念碑は昭和に入ってから描かれたものですが、しっかりと描かれた姿は、明治の戦争を記念するだけでなく、日本水彩画の歴史をも記念した作品になっていると思います。
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