2021年6月7日月曜日

斎藤素巌作「帝都復興記念碑」レリーフ




大正12(1923)年に起きた関東大震災からの帝都復興事業を記念して、昭和5(1930)年に帝都復興祭が行われます。
このレリーフの背面に「帝都復興記念碑」とあり、これを記念して製作されたものだと思われます。
かなりの薄い浮彫なので、実際はもっと大きなレリーフ状の記念碑として製作され、その縮小版なのかもしれません。

三連祭壇の形状からわかるように、斎藤素巌はこのレリーフを宗教画として描いたと考えられます。
その為、復興からの再生が描かれているのだと思うのですが…そのストーリーがよくわかりません。
右側は震災難民しょうか。左には彼らに寄り添う豊穣の女神(災害から実りをもたらした大宜都比売神?)が描かれているように思います。
では、中心の三人の男は何を示しているのでしょう?
真ん中の男は斎藤素巌による第六回明治神宮体育大会メダルと同じような構図ですね。
左に鍬を持つ男が描かれていることから、復興を成し遂げた労働者の姿ではないかと思います。
(そこに女性の姿がないのは現代のフェミニズム的に問題ですね…)
当時の人たちであればこの物語が読み解けるのでしょうか?

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