黒岩淡哉による「ペスタロッチ」半身像です。
黒岩淡哉は、明治22(1889)年に東京美術学校に彫刻科の第一期生として入学。卒業後は東京美術学校の彫刻科助手を勤め、後に関西に移り、当地で彫刻美術の啓蒙に勤めます。
そんな近代彫刻におけるレジェンドの一人なのですが、東京中心の近代彫刻史には名前が出てこない作家です。
このブログでは2回ほど紹介しています。
そして、この「ペスタロッチ」像ですが、広島文理科大学(現広島大学の母体となった)教育学研究所において、卒業生に渡された記念品だったようです。
ペスタロッチは、スイスの教育学者です。
彼の教育理論が日本に広まったのは、広島文理科大学の教授であり、広島大学の名誉教授となった長田新によって、その研究がなされたことによります。
現在でも、優秀な教育研究者に贈られるペスタロッチー教育賞が、同校にて授与されるそうです。
「ペスタロッチ」像の裏側には「広島八木トンボ堂謹製」の文字があります。
八木トンボ堂は、記念品制作の会社だったようですね。
広島の記念絵葉書などを制作していたようです。
右側には、贈られた卒業生の名前と、昭和8年3月7日、第二回卒業生に贈られたことが刻まれています。
この像を手に取ると、これを受け取っただろう熱い若者の想いが伝わってくるような気になります。
なんだか、ちょっと元気になります。
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