山崎朝雲は、 1867(慶応3)年生まれ。本名は春吉。別号は羯摩。
この書には、別号の羯摩と朝雲の落款があります。
これが朝雲77歳の時のものであるなら、昭和19年の大東亜戦争時に書かれた物だと思われます。
であるなら、「敵国」とはアメリカのことなんでしょう。
寄書きを戦地に向かう兵隊に持たせたように、書や文字には呪術的な力があると考えられました。
「敵国降伏」も、そのような意味で山崎朝雲が誰かに望まれ、書いたものなのかもしれません。
高村光太郎がそうであったように、戦前の彫刻家で書を行う者は多い。
ただ、嗜みとして書かれたものなので、たとえ一流の彫刻家でも、光太郎の書のように作品と呼べるまでにはいかないようだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿