ラグビーワールドカップでの日本チームの快勝で盛り上がる日本。
日本のラグビーは1920年頃から広まる古くて新しいスポーツですね。
その結晶が今の日本ラグビーにあると考えると、なにか想うものがありますね。
そんな戦前の日本のラグビーの一つの姿を写したのが、この進藤武松の作品です。
この作品の裏には、「KURO 2595 12 20」とあります。
皇紀2595年は、昭和10年、その当時のラグビー界は、「第17回全国中等学校ラグビーフットボール大会」などが行われます。
この12月20日に行われた大会が何で、この灰皿がどんな目的で使われたのか知ることができませんでしたが、「kuro」の意味がわかればもう少し理解できることがあるかもしれません。
当時の進藤武松は、構造社の齊藤素巌に師事、前年には構造社展で構造賞を受賞した新進気鋭の作家でした。
この作品を見ても、その肉体と躍動感が素晴らしい。
ただ今の選手と違い。細マッチョですけどね。
同じ構想社の日名子実三も昭和7年、ロスオリンピックの芸術競技会に「ラグビー」を出品しています。
そうした流れから進藤に依頼が来たのかもしれません。
それにしても灰皿とスポーツなんて、今となっては合わせることを思いもしないもの同士なのでしょうけど、ただほんとうに美しい作品ですね!