2014年3月8日土曜日

ロダン作 「或る小さき影」「ロダン夫人」絵葉書


この作品は現在、大原美術館に所蔵されており、もう一点「ゴロツキの首」を含め、これら3点が白樺美術館より永久寄託された作品です。
実は、この3点が、日本に始めてもたらされたロダン作品なのです。
そして、これら作品の最初の所有者が有島生馬、志賀直哉武者小路実篤ら、白樺派の同人たちでした。
彼らは、1910年(明治43)11月の『白樺 ロダン号』にて、「ロダン第七十回誕生紀念号」とし、ロダンの特集を組みます。
この雑誌発行前に、特集号へのコメント等を求めてロダンへ手紙を出します。
その返事の中に日本の浮世絵と交換にロダンが作品を送るとあり、そのやり取りの結果、送られてきたのが、この3点なんです。
この作品が日本に送られてきた時の狂騒は、これもまた「白樺」にて柳宗悦が書いています。

「ロダンの彫刻が日本に来る-この夢のような想像がただただ現実となってきたのです。なんだかこの世の中がどうかしているような気がしました。それ以来いつ荷上げになるかとそればかり気にかかりました。」

 また、彼らは、1912年(明治45)2月、バーナード・リーチのエッチングとともに、この3点の作品の展示を行います。
この展覧会で始めてロダン作品の実物を目にした中原悌二郎は、こう書いています。

「(「ロダン夫人」像を)見て居るうちに、最早是は銅の塊ではない、生々しい一個の首である、沈痛なヒステリックな近代女性の靈そのものである.」と。

僕の所有する絵葉書は、戦前のものには違いないと思うのですが、どういった経緯で発売されたかまではわかりません。
もしかしたら白樺美術館を建てるための資金集めに販売したのかも?
「或る小さき影」が後ろ姿なのは、当局の何かしらがあったのかな?
それにしても、残り1点「ゴロツキの首」が欲しいですね~

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