東京オリンピック...と言っても1940(昭和15)年に行われる予定だった大会のお話です。
2020年開催予定の東京オリンピックでも、そのビジュアルイメージでゴタゴタがあったわけですが、昭和15年も同じようなことで問題となります。
当時、東京オリンピックのポスターデザインは公募されました。それにより一等を得たのは松坂屋京都支店勤務の黒田典夫による神武天皇と八咫烏を描いたものでした。なぜ、オリンピックのイメージに神武天皇なのか。それは、昭和15年が皇紀2600年にあたり、オリンピックはこれを祝したイベントでもあったからです。
しかし、このデザインは「内務省図書検閲課ニ於イテ発行不許可」となります。
その背景には、「神武天皇」つまり天皇の姿を描く事への批判があったのだと言われています。
1935(昭和10)年、菊池武夫議員が、美濃部達吉議員の天皇機関説を「緩慢なる謀叛であり、明らかなる叛逆になる」として非難、結果、機関説排撃を決議します。
こうして国体明徴運動が活発化、それまでゆるい感じで扱われていた御真影に対し、厳しい公の目が差すようになります。
東京オリンピックの問題で、天皇のイメージが扱え難くなったことは、市井のメダル等のデザインにどのような影響を与えたでしょうか?
今後も調べていきたいと思っています。
0 件のコメント:
コメントを投稿