今月は連続して畑正吉について。
3回目は畑の習作です。
制作時期は不明ですが、それほど新しい物でもないと思われます。
表には抱き合う母子。
裏側には、これも畑の直筆でしょう「親子 仏近代 エエサス作 小メダルヨリ拡大摸刻 畑正吉」とあります。
母子というモチーフは、構造社では多く使われていますが、官展では思いの他少ないです。
現代のように母子の触れ合いに価値を持つという文化が、明治頃にはそれほどあった訳でなく、作家自身にも経験が無いため、リアリティーを感じなかったからかもしれません。
畑もまた、「母子が触れ合う」という姿を、新しい文化として見ていたのだろうと思います。そうしてこの作品を模刻しようと考えたのでしょう。
裏に書かれた、メダルの原型作家「エエサス」。
この作家についてはまだ良くわかっていません。
柔らかくて、かわいらしい作品ですね。
こういった作品を造れる日本の彫刻家は、思いつかないですね。
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