2017年2月12日日曜日

清水三重三、後藤清一 木芽会

「木芽会(もくがかい)」は、1921(大正10)年に、東京美術学校同級生であった清水三重三や笹野恵三、後藤清一らによって結成された彫刻家グループです。
同年、日本橋高島屋にて第一回展が行われます。



上記の資料は、その第四回展のパンフレットです。
1932(昭和7)年4月に日本橋白木屋にて行われました。
参加作家は、清水三重三、笹野恵三、後藤清一、羽下修三 秦紹世、林良三、長田満(也?)、高須俊彦、飛田朝二(次?)郎。

昭和7年は、清水三重三や後藤清一の参加していました構造社が解散し、新構造社となるゴタゴタした年です。
皆39歳前後で、彫刻家としての仕事に油が乗っていた頃の展覧会だったと思います。

「木芽会」は、昭和9年の第五回までは続けられたようですが、その後はわかりません。
戦時の中で立ち消えていったのでしょうか。
同窓生のこういったグループ展が、10年以上続けられるって凄いことです。
立場やしがらみ等あってなかなか集まることができなくなるものですが、よっぽど気の合う作家仲間だったんでしょうね。
特に後藤清一を構造社に誘ったのは、清水三重三であったわけで、その絆は深かったのでしょう。(誘われなかったら後藤は坊主になるつもりだったとか。)


この銅像は、清水三重三の作品です。
昭和17年に制作されたもののようですが、モデルは不明。
構造社解散後の清水は、挿絵の仕事と共に多くの銅像を制作したそうです。
ただ、彼の作品は東京大空襲によってその多くを失ったということです。
戦前の作品をこうして見られるのは嬉しいですね。

0 件のコメント:

コメントを投稿