2024年2月25日日曜日

大正14年 平野吉兵衛原型「桑田正三翁壽像 石井吉之助胸像」絵葉書

1925(大正14)年に建てられた「桑田正三翁壽像 石井吉之助胸像」の除幕式記念絵葉書です。







桑田正三は、1855(安政2)年生まれ1933(昭和8)年没、明治期の大阪を代表する写真材料店「桑田商会」を営んだ人物で、石井吉之助はその甥にあたります。
彼らは、1904年現在もより現在も続く浪華写真倶楽部の創立者です。
絵葉書には記念碑の全体写真、各人肖像の碑文の写真が載っていますが、倶楽部の写真家たちが撮ったものなのでしょうね。

葉書にある工事概要です。
設計 京都市技師 寺岡謙造氏
様式 近世式ワグネル型
起工 大正14年9月3日
施工 大正14年12月8日
鋳造 青銅製 楕円形 高さ三尺一寸幅二尺四寸
   原型鋳造士 京都 平野吉兵衛氏
碑額 高さ一尺八寸 幅五尺八寸
   鋳工 京都 平野吉兵衛氏
   碑文及び揮毫 大阪 池幸吉氏
鋳造台 花崗石 幅四尺 高さ六尺五寸 厚さ二尺
用材 全部 備中国北木島産 花崗石
施工者 京都 平野吉兵衛氏
外見 幅奥行十三尺 高さ地上十六尺
基礎工事 耐震鉄筋コンクリート 幅四十八尺 奥行二十四尺 深さ十尺
於 大阪市西成区西入船町桑田工場敷地内

設置された場所は、大阪市西成区西入船町桑田工場敷地内。
今では存在しない記念碑ですから、戦時に回収されたのかもしれません。

また、ここにある原型鋳造士平野吉兵衛とは、京都の工芸家です。京都商工会工芸部長であった人物です。関西における鋳造の大家ですね。
東京の彫刻家を使わず、こうした地元の人物を選ぶところに、関西写真家たちのこだわりを感じさせます。石も備中国(岡山あたり)ですし。

「耐震鉄筋コンクリート」ってあたりが関東大震災後って感じがします。
このころから使われた言葉なんですね。

様式にある「近世式ワグネル型」とはゴットフリード・ワグネルの紹介した型式でしょうか?
ワグネルも京都に関わる人物です。
確かに、1924(大正13)年に京都市で開催された東宮殿下御成婚奉祝万国博覧会参加五十年記念博覧会に際し建立された「ワグネル博士顕彰碑」は、この「桑田正三翁壽像 石井吉之助胸像」記念碑と同型です。
https://4travel.jp/dm_shisetsu/11583107
最新の洒落た造形だったのでしょうね。
「ワグネル博士顕彰碑」のレリーフの作家が調べてもわからなかったのですが、もしかしたら平野吉兵衛なのかも?

0 件のコメント:

コメントを投稿