2022年1月18日火曜日

都賀田勇馬著 銭屋五兵衛銅像建設秘話




昭和8年11月16日、金沢市金石において都賀田勇馬作「銭屋五兵衛像」の除幕式が行われました。
この冊子は、その当時の状況を戦後になってまとめたもののようです。
この銭屋五兵衛像は、戦前の金属類回収令で供出され、陶製に変えられます。
昭和47年、戦後となって再び銅製に再現されます。発行日等の記述はありませんが、これに合わせてまとめられた冊子と思われます。

この冊子を読んで興味深かった点は、まずこの像の原型に対し、当時からロダンのバルザックとの比較がなされていた事です。銭屋五兵衛像の場合は、ガウンではなく防水合羽を着ているわけですが。

そして、都賀田勇馬は頼まれてこの像を製作したのではなく、自分で銅像建立を企画立案し、事業として資金を集めることまでしていることです。
都賀田勇馬は金沢ゆかりの名士を訪問し、銅像建立の賛同と資金を得るために活動します。
明大の野球部員を金沢に呼び、寄付のための試合を行ってまでしています。(これは失敗に終わったと都賀田勇馬は書いてますが)
クリスト&ジャンヌ=クロードのように、プロジェクトを含めての作家活動なんですよね。
当時も居ただろう芸術至上主義者からしたら、異端だったのではないでしょうか?
さすが、初代ハニベ巌窟院主。

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