久しぶりにメダルの紹介です。
日名子実三による「日米学生交歓陸上競技大会」メダル。
「日米学生交歓陸上競技大会」は皇紀2594年(1934(昭和9)年)に行われます。
以前同年に行われた「日米国際陸上競技大会」を紹介しましたが、この競技大会と同企画で行われたものだと思われます。
http://prewar-sculptors.blogspot.jp/2014/12/blog-post_31.html
一方のメダルは陽咸二、こちらは日名子と構造社作家で押さえてますね。
ただし、日名子の「日米学生交歓陸上競技大会」は草薙剣(くさなぎのつるぎ)を振る日本武尊(ヤマトタケル)と、より日本をイメージさせるものです。
「日米国際陸上競技大会」の方が抑制されており、メダル製作においても政治的な判断があったと思われます。
メダルに描かれた草薙剣ですが、見たところ片手で持つ片刃の剣のようです。
当時においても現物を知っている者はなく、想像で描いた物だと思いますが、逆に片刃の由来が知りたいところです。
振り上げた体躯も面白い。芝居かかってますね。
こういう芝居的な立体の彫刻というものは、日名子であっても制作していません。「彫刻」のあり方に切り分けがあったのだと思います。
文脈が異なると言うことでしょう。
そいうえば、戦時下の彫刻においても刀を振り上げた彫刻というものを見たことが無いような。少し調べてみよう。
さて、この大会に出場した日米の若者たちは、その数年後に兵隊となった者もいたでしょう。
グランドで競い合った者同士が、次は殺しあわなくてはならなくなるとは、時代の不幸を思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿