日名子実三による「第二回千代田生命陸上競技大会」のメダルです。
今は無き千代田生命は、明治37年の設立です。
当時、このような会社主催の競技大会が行われ、多くのメダルが作製されました。
日名子も多くのメダルを制作しており、これもその一つだと言えます。
ただし、この「第二回千代田生命陸上競技大会」のメダルは、日名子の他のメダルと異なり、彼の作品に多くある写実的なモチーフではありません。
どこか古代ギリシアかローマを思わせるデザイン性の高いモチーフになっています。
二人の裸の男性走者が、太陽を跨ぎつつ、同じような体勢で重なり合い、どこかユーモアを感じさせます。
このメダル以外で、日名子のこういったモチーフは、思い浮かびません。
このメダルの原型は、大分県立美術館の所蔵となっています。
http://opamwww.opam.jp/collection/detail/work_info/7182;jsessionid=2318F598633C3EB5D769672D063AF0BF?artId=636&artCondflg=1
そこには、このメダルの原型が、「陸上競技奨励大会参加章」「東京陸上競技協会」「本院貫井間十哩競走」と幾つか使用された事が書かれています。
人気の作品だったのでしょう。
ただ制作年が昭和8年となっていますが、先に紹介しました「第二回千代田生命陸上競技大会」のメダルには、昭和7年と刻まれています。
もしかしたら、もう少し早く制作された作品なのかもしれません。
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