日名子お得意の神武天皇像のレリーフです。
背景にあるのは靖国神社でしょう。
「神国相勝」とありますが、この「相勝」とは、五行相勝を意味しているのでしょうか。
五行相勝は、陰陽道などで言われる陰陽五行説、それは、世界を成り立たせる根源要素である「土木金火水」を言います。
神国日本は、世界を成り立たせる根源要素だと言うのでしょう。
前にも書いたのですが、日名子が当時人気だった理由の一つは、神像のキャラクター化によるわかり易さ、受け入れられ易さにあったと考えています。
このレリーフには、まず「神国相勝」というキャッチフレーズ。
そして、泰平や平安を意味するような腕を上げた神武天皇像。その姿は、キャラクターらしく、古代の兜や鎧、雲に乗った姿と要素の集合体でできています。
そして、漫画に使われる効果線のような図形の中心に鳥居。
これらのそれぞれの要素を組み上げる漫画性、デザイン性に日名子の真骨頂があり、それを当時の日本が求めたと言うことでしょう。
こういった神像は、まるで、ビックリマンチョコのイラストのようです。
大塚英志さんが言うような、物語消費の欲望が、このレリーフや日名子のデザインにあったと考えます。
その欲望される歴史が、「神国日本」だったのでしょう。
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